Top Photo：Chikashi Suzuki Nakano, Tokyo, 2015 C-print Sheet size: 100.0 x 126.0 cm, Frame size: 109.8 x 136.0 x 6.0 cm
© Chikashi Suzuki, Courtesy of KOSAKU KANECHIKA

エディトリアルやファッション写真の最前線で活躍し続ける鈴木親の展覧会「東京の日常の断片」が、KOSAKU KANECHIKAにて、4月11日（土）まで開催中。


90sよりフランスでキャリアをスタートさせた鈴木親は、ファッションとアートの境界を越えて幅広く活躍してきた、現代を代表する写真家の1人。
曖昧な瞬間や無意識の部分を捉えた彼の写真は、作家性が抑えられることで被写体の強さと輝きが際立ち、普遍的な存在感を確立している。

Chikashi Suzuki Nakameguro, Tokyo, 2016 C-print Sheet size: 100.0 x 126.0 cm, Frame size: 109.8 x 136.0 x 6.0 cm © Chikashi Suzuki, Courtesy of KOSAKU KANECHIKA



Chikashi Suzuki Shinjuku, Tokyo, 2015 C-print Sheet size: 100.0 x 126.0 cm, Frame size: 109.8 x 136.0 x 6.0 cm © Chikashi Suzuki, Courtesy of KOSAKU KANECHIKA

今展では、作為性が生じるのを避け、これまでに展覧会や写真集の発表が少なかった鈴木が、プライベートなスナップを中心に自身でセレクトした約40点の作品を展示。

デジタルの登場以来、加速度的に消費されるようになったイメージとは対照的に、鈴木がフィルムで撮影した写真はほとんど人の目につくことなく時間が経過したため、新鮮さをまとって眼前に立ち現れる。

また、鈴木の日常の断片として等しく切り取られた、パブリックな存在の人物、パブリックな存在になる前の人物、東京の街、風景や花には真実が写り、鑑賞者が新たなストーリーを紡ぐ余地が残されている。

Chikashi Suzuki Shinjuku, Tokyo, 2018 C-print Sheet size: 126.0 x 100.0 cm, Frame size: 136.0 x 109.8 x 6.0 cm © Chikashi Suzuki, Courtesy of KOSAKU KANECHIKA

「写真はすべて死を連想させるものである」とSusan Sontagが「写真論」で述べているように、人物や事物の無常に立ち入ることを意味する、写真を撮るという行為。

それゆえに生まれる哀感や郷愁にも似た感覚は美しく、予兆も孕んだ時間の経過という要素は人々の想像力に働きかけてくる。

installation view from Fragment of Everyday Life in Tokyo at KOSAKU KANECHIKA, 2020 ©︎ Chikashi Suzuki, Photo by Keizo Kioku

普遍性を携えた、鈴木の私的な日常風景。
東京を舞台にした被写体の運命が、フィルムの向こうで儚げに揺曳する。

KOSAKU KANECHIKA　 03-6712-3346


【Chikashi Suzuki “Fragment of Everyday Life in Tokyo”】
DATE：4月11日（土）まで開催中 ※日曜、月曜、祝日休廊
TIME：11:00am～6:00pm ※金曜は8:00pmまで
PLACE：KOSAKU KANECHIKA
ADDRESS：東京都品川区東品川1-33-10 TERRADA Art Complex 5階
ADMISSION FREE
WEBSITE：kosakukanechika.com/exhibition/fragment_of_everyday_life_in_tokyo/