Juergen Teller
挑戦的なファッション写真家が抱く、ドイツへの望郷
Top Photo:Juergen Teller, Heimweh, 2019, installation view © 2019 Getty Images
ドイツ出身の写真家 Juergen Tellerの展覧会「Heimweh」が、KÖNIG TOKIOにて、2020年1月11日(土)まで開催中。
ドイツ・ミュンヘンで写真を学び、1986年よりロンドンに拠点を移して活動しているJuergen Teller。
「CELINE」や「MARC JACOBS」、「VIVIENNE WESTWOOD」など数々のブランドのヴィジュアルや、Kurt Cobain やBjorkといったミュージシャンのアートワークを手掛けたほか、Venice Biennaleにも参加するなど、ファッション写真やアート写真の世界を牽引してきた。
Juergen Teller, Heimweh, 2019, installation view © 2019 Getty Images
Juergen Teller, Heimweh, 2019, installation view © 2019 Getty Images
Juergen Teller, Heimweh, 2019, installation view © 2019 Getty Images
「Heimweh(望郷)」と題した今展において、Tellerは自身の空想世界を探訪しつつ、ドイツ独特の陳腐な伝統に疑問を投げかける。
展示作品のほとんどは世界初公開となり、彼のドイツ人としてのアイデンティティーや、Brexitをめぐる不安が取り巻くイギリスにおけるヨーロッパ移民としての立ち位置の再考を軸に展開されている。
今展を象徴的する作品の1つである、「EUnify」のフーディーをまとったKristin Scott Thomasのポートレートでは、被写体の揺るぎなくもどこか虚ろな眼差しが、迫り来るイギリスのEU離脱に対するショックや不信の念を体現。
誰に対してもオープンかつ誠実に語りかけるというTellerの美学に基づく、真っ直ぐで人間的なアプローチによって、心の機微が捉えられた。
Juergen Teller, Kristin Scott Thomas No.1, London 2017 © Juergen Teller, All rights Reserved
会場となるのは、ベルリンを拠点とするKÖNIG GALERIEが先月新たに東京に開設した、コンテンポラリーな展示スペースであるKÖNIG TOKIO。
2020年12月までの期間、コンセプチュアルで学際的な空間優先型の制作活動に焦点を当て、ドイツやオーストリア、スイスの現代アーティストを日本へ紹介する展覧会を開催する。
ユーモアや好奇心に満ちた作品に通底する、ドイツ人としての自覚。
Tellerのヴィジョンを繋ぐ郷愁の念が、フレッシュな空間を染め上げる。
MCM GINZA HAUS 1 03-5524-7177
【Juergen Teller “Heimweh”】
DATE:2020年1月11日(土)まで開催中 ※月曜、火曜休廊
TIME:11:00am~7:00pm
PLACE:KÖNIG TOKIO
ADDRESS:東京都中央区銀座3-5-4十字屋ビル 6F MCM GINZA HAUS 1
ADMISSION FREE
WEBSITE:www.koeniggalerie.com/exhibitions/25667/juergen-teller-heimweh/
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