Sophie Calle, “Exquisite Pain”
心揺さぶるアートへと昇華された、
ソフィ カルの失恋の思い出
Top Photo:
Sophie Calle Exquisite Pain, 1984-2003
© Sophie Calle / ADAGP, Paris 2018 and JASPAR, Tokyo, 2018
フランスの女性現代美術作家、Sophie Calleの展覧会「『ソフィ カル ─ 限局性激痛』原美術館コレクションより」が、原美術館にて2019年1月5日(土)から3月28日(木)まで開催される。
「ソフィ カル―限局性激痛」1999-2000年 原美術館での展示風景 © Sophie Calle / ADAGP, Paris 2018 and JASPAR, Tokyo, 2018
Sophie Calle Exquisite Pain, 1984-2003
© Sophie Calle / ADAGP, Paris 2018 and JASPAR, Tokyo, 2018
写真と言葉で構成した物語性の高い作品で世界的に知られるアーティスト、Sophie Calle。
見知らぬ人々を自宅へ招き、自分のベッドで眠る様子を撮影したものにインタビューを加えた「The sleepers」(1979)や、ヴェネツィアのホテルでメイドをしながら、宿泊客の部屋の様子を撮影した「The Hotel」(1981)、拾ったアドレス帳に載っていた人物にその持ち主についてのインタビューを行い、日刊紙に連載した「The Address book」(1983)など、プライベートな領域に踏み込み生み出される彼女の作品は常に論争を巻き起こしている。
Sophie Calle Exquisite Pain, 1984-2003
© Sophie Calle / ADAGP, Paris 2018 and JASPAR, Tokyo, 2018
Sophie Calle Exquisite Pain, 1984-2003
© Sophie Calle / ADAGP, Paris 2018 and JASPAR, Tokyo, 2018
Sophie Calle Exquisite Pain, 1984-2003
© Sophie Calle / ADAGP, Paris 2018 and JASPAR, Tokyo, 2018
今展は、19年前に原美術館で開催し大きな反響を呼んだCalleの個展「限局性激痛」(1999-2000)をフルスケールで再現。
「限局性激痛」とは、医学用語で身体部位を襲う限局性(狭い範囲)の鋭い痛みや苦しみを意味し、本作は彼女自身の失恋体験による痛みとその治癒を、写真と文章で作品化したもの。
その誕生は日本滞在が契機となっており、1999年の原美術館での展覧会のためにまず日本語版として制作された後、フランス語版や英語版も世界各国で発表された。
Sophie Calle Exquisite Pain, 1984-2003
© Sophie Calle / ADAGP, Paris 2018 and JASPAR, Tokyo, 2018
Sophie Calle Exquisite Pain, 1984-2003
© Sophie Calle / ADAGP, Paris 2018 and JASPAR, Tokyo, 2018
Sophie Calle Exquisite Pain, 1984-2003
© Sophie Calle / ADAGP, Paris 2018 and JASPAR, Tokyo, 2018
本作は、人生最悪の日までの出来事を最愛の人への手紙や写真などで綴った第1部と、
その不幸話を他人に語り、代わりに相手の最も辛い経験を聞くことで自身の心の傷を少しずつ癒していく様子を、美しい写真と刺繍で綴った第2部から構成される。
展示空間に合わせて微調整された作品のサイズやプロポーション、コピーライターの竹内桃子が手掛けた原文のニュアンスが残る訳文、新潟の工房で制作されたテキスト刺繍などからは、Calleの研ぎ澄まされた美意識や強いこだわりが伺える。
自身の人生をさらけ出し、他人の人生に向き合う彼女の制作は観る者の心を揺さぶり、鑑賞者にさまざまな問いを投げかける。
個人的な体験から紡ぎ出されたアート。
不思議な力を持ち、さまざま問いを投げかけるSophie Calleの作品の前で、湧き上がる心の声に耳を傾けて。
Photo:Jean-Baptiste Mondino
HARA MUSEUM 03-3445-0651
【Sophie Calle, “Exquisite Pain” from the Hara Museum Collection】
DATE:2019年1月5日(土)~3月28日(木)
※月曜、1月15日(火)、2月12日(火)休館(1月14日(月)、2月11日(月)は開館)
TIME:11:00am~5:00pm ※水曜は8:00 pmまで(入館は閉館30分前まで)
PLACE:原美術館
ADDRESS:東京都品川区北品川4-7-25 原美術館
ADMISSION:一般 ¥1,100、大高生 ¥700、小中生 ¥500
WEBSITE:www.haramuseum.or.jp
- Art&Culture
- 07.Jan.2019
LATEST TOPICS
ERDEM 2021 Pre-Spring
60sと現代の対比を描いた甘美なコレクション
ロマンティックなワードローブを展開するイギリスのブランド「ERDEM」の2021年プレスプリングコレクションが発表された。 美術や建築が盛んとなったイギリスの摂政時代と、現代…
Read more...
- Fashion
- 04.Jul.2020
#FLVfromhome
自宅での芸術体験が叶う、至福のプログラム
Top Photo:Christian Boltanski. ANIMITAS (BLANC) Ile d'Orléans, Canada, 2017, Courtesy Marian Goodman Gallery and Fondation Louis Vuitton…
Read more...
- Art&Culture
- 03.Jul.2020