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Sophie Calle, “Parce que”

Sophie Calle, “Parce que”
イメージを変貌させる、ソフィ カルの「なぜなら」

Top Photo:
Installation view, “Sophie Calle: Parce que”, Gallery Koyanagi, February 2 – March 16, 2019
Photo: Keizo Kioku

© Sophie Calle / ADAGP, Paris, 2019
Courtesy of Perrotin and Gallery Koyanagi

フランスを代表する現代美術家 Sophie Calleの個展「Parce que(なぜなら)」が、ギャラリー小柳にて3月16日(土)まで開催中。

テキストや写真、映像などを組み合わせたインスタレーションを中心に発表し続けているアーティスト、Sophie Calle。
彼女自身の体験、あるいは他者へのインタビューや追跡などをもとに制作された、私的な領域に深く関わるようなセンセーショナルな作品は、鑑賞者の心に余韻を残す。


1953年にパリで生まれたCalleは、ロンドンのTate GalleryやパリのCentre Pompidouで個展を開催したほか、第52回ヴェネツィア・ビエンナーレにてフランス代表として参加するなど、国際的に活躍している。




Sophie Calle Suaires 2018 Color photograph, embroidered woolen cloth, framing
© Sophie Calle / ADAGP, Paris, 2019
Courtesy of Perrotin and Gallery Koyanagi
Photograph: Claire Dorn

今展では、国内初公開となる「Parce que」シリーズから新作9点が展示。
テキストと写真を融合させるというCalleの代表的な手法で構成された「Parce que」シリーズの作品は、額装写真の前面にテキストが刺繍された布が垂らされ、その布をめくると写真が現れる構造となっている。

フランス語で「なぜなら」という意味の「Parce que」から始まるテキストは、なぜこのイメージなのか、なぜアーティストがこの瞬間または特定の場所を選んだのかを説明するもの。
「Sans enfants, sein(子供なし、胸)」と題された作品では、「なぜなら、ネット上で私の説明が『Sophie Calle、あえて子供をもたないアーティスト』とたった7語でかたづけられてるのを見つけたから。
ほんのお遊びとして、この子がたまたまここにいたから。」と布に刺繍で綴られており、それをめくるとCalleが子供に授乳しているように見える写真が現れる。

写真を見る前に個人的な理由を知らされることによって、イメージだけでは見えてこない彼女独自の視点や心境が浮き彫りになってくる。


また、ペロタン東京では「My Mother, My Cat, My Father, in That Order.(私の母、私の猫、私の父、この順に。)」が3月10日(日)まで、原美術館では「ソフィ カル─限局性激痛 原美術館コレクションより」が3月28日(木)まで同時開催中。
Calleが生み出す世界を存分に堪能できる、贅沢な機会となっている。


写真と文章が交わる、独創的な作品。
イメージにフィルターをかける、言葉の影響力を感じてみては。

GALLERY KOYANAGI 03-3561-1896


【Sophie Calle “Parce que”】
DATE:3月16日(土)まで開催中 ※日・月・祝祭日休館
TIME:11:00am~7:00pm
PLACE:ギャラリー小柳
ADDRESS: 東京都中央区銀座 1-7-5 小柳ビル 9F
ADMISSION FREE
WEBSITE:www.gallerykoyanagi.com

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