「Encounter=出逢い。」

世界中に存在する、アーティストたちとの巡り合い。
まだ花を咲かせる前の、若きクリエイターたちの才能を披露する場として。
今回、11月／12月のテーマ「Dream／夢」を連想させる作品を呼びかけ、
琴線に触れる作品を編集部がピックアップ。
選び抜かれた、フレッシュな感性に心を委ねて。

No.4 “Picnic at Hanging Rock”

All clothes by Lucía Martínez

Maya Kapouski／Photographer（Spain based）
Lucía Martínez／Designer（Spain based）


「Picnic（ピクニック）」

この作品は、ミステリー小説の「Picnic at Hanging Rock」からインスピレーションを受けました。
物語は、ビクトリア時代、ボーディングスクール（寄宿学校）に通う10代の女の子３人が、バレンタインデーの時期に行われたピクニックでひとりひとりが失踪していくことから始まります。
彼女たちに何が起きたのかは明確に記していないのですが、私はこの本は、子供から大人へ成長していく繊細な時期や、失われていく純潔を比喩として捉えているように感じます。
監督Sofia Coppola手がけた「The Virgin Suicides」のような名作も、実はこの本から影響を受けているのです。

私は今回のテーマを聞き、夢が錯乱する様を作り出したい思いました。
今作品に登場するモデルたちは廊下をあてもなくさまよい続け、洋服は身体にフィットしすぎず、なめらかに沿うようなものを着用させました。
自分自身を探し求める夢と悪夢の間、まるで物語の主人公になったかのように。
そして、私たちの思春期を表現した作品でもあるのです。

Maya Kapouski：
スペイン北部出身のフォトグラファー兼アートディレクター。
柔らかな質感や、繊細さが映し出された彼女のフォトグラフィーは、独特な女性らしさを感じさせる。
ここ数年、様々なブランドやマガジンを手がけ、一方でデザイナーとしても活動を行う。
www.mayakapouski.com/

Lucía Martínez：
同じくスペイン北部出身のファッションデザイナー兼アーティスト。
現在はファッションデザインを教えている。