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Encounter|Kathleen Meier

Encounter|Kathleen Meier
編集部に届いた新たな才能

「Encounter=出逢い。」

世界中に存在する、アーティストたちとの巡り合い。
まだ花を咲かせる前の、若きクリエイターたちの才能を披露する場として。
彼らが表現する、瑞々しく、独創的な作品の中から
琴線に触れる作品を編集部がピックアップ。
選び抜かれた、フレッシュな感性に心を委ねて。



No.33 “Huis Clos”














Kathleen Meier/Photographer(Nancy based)

「Confinement(監禁)」
この作品は、人々に閉じ込められるような感覚を伝えるでしょう。

絶望的な状況に直面した時、私たちの中で何が起こるのでしょうか。
また、外界との関係を持ち得なくなった時、何を感じるのでしょうか。

方向感覚や外界との接触の喪失は、私たちを物理的、および精神的に孤独な状態にするうえ、
私たちの外界の現実との関係性を意識的に、もしくは潜在意識のもとで変えてしまう恐れがあります。
この迷宮は、私たちをゆっくりと心の病へと導いてゆきます。


このシリーズはいくつかの見方があります。
例えば、監禁に対する私たちの考えを比喩的に表現していたり。
もしも私たちが外界との接触を絶たれたら、孤独は物理的かつ心理的なものとなるでしょう。

心理的な面では、こうした状況で精神的な幸福を保つのは難しいことです。
哲学的には、古代ギリシャの哲学者であるAristotelesは「人間は社会的な動物である」と述べています。
私たちは社会の一部であり、それに左右され人と交流することに慣れているのです。

孤立し、閉じ込められたままにされ、可能性を奪われることで、私たちは必然的に精神病や耐え難いほどの深い苦しみへ導かれます。


作品で登場する無人の室内は、幾度となく抵抗しながらも、ゆっくりと退廃していきます。
扉に次ぐ扉、部屋に次ぐ部屋を通じて、私たちは時間によって示される頒布服的な場所の迷宮に自分が閉じ込められていることに気がつくのです。
壁紙は過去の存在、衰えた活気を示しています。
私たちは、甘く、それでいて不穏な記憶の中に閉じ込められているようなのです。


また、この作品は、肖像写真を伴うことなく、また仕草を伴うことなく、人間とその感情について言及しています。

私たちはこの場所で、何かを探します。
それは出口かもしれません。
私たちは四方を窓のない壁に囲われ、外を見ることもできないこの場所にあまり長く居たくはありません。
それでも、この美しい空間と不安によってなだめられていくのです。


















Kathleen Meier:
フランスのナンシーを拠点とする、写真家。
心理学的なテーマをもとに撮影された作品は、ドラマティックな余韻を残す。
www.kathleenmeier.fr/fr/accueil.html




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