7 Things About You
No.8 “I-AM-CHEN”
注目のニューブランドが語る、7つの事
ワールドワイドに活躍する魅惑的なアップカミングブランドを編集部がピックアップ。
「7つの質問」をもとに、今をときめくデザイナーたちのパーソナルな面を解き明かす。
No.9 I-AM-CHEN (London-based)
www.i-am-chen.com
SS18:
Photography by Muka
Make up by Xu Jie
Models by Nastya, Olesia and Anastasia
1. 最新のコレクションについて教えて下さい。
今回の2018年春夏コレクションは、「Playful Emotion (遊び心)」を表現したコレクションであると同時に、
最近話題のDavid Hockneyから影響を受けた作品でもあります。
私自身、David Hockneyのぶっきらぼうでミニマリスティックな作品に深く感銘を受けました。
特に「White Porcelain」と「Amaryllis in Vase」のシンプルかつストレートなメッセージの描き方に影響を受け、
今回のデビューコレクションでは、そのような雰囲気を描くよう努力しました。
彼の作品のように、自分の感情や気分を自由にiPadに描き、ニットデザインに落とし込む。
また、それらを元に複雑なニットの製図を作り上げる。
今回のコレクションは、テキスタイルやプリントとは違い、「ニットウェア」で凝ったグラフィックを再現する、といった意味で大きな功績だと思っています。
2. あなたがファッションに興味を持ったきっかけは?
私は子供の頃から、アートやデザインにとても興味がありました。
最初はエンジニアの大学に進学しましたが、自分のデザインへの夢を追う為にエンジニアの大学を辞めました。
その頃の私にとって、建築士、インテリアデザインやインダストリアルデザインなど様々なアートデザイン分野の中で、
ファッションデザインが最も親しみのある学科で一番興味の湧いた事だったので、ファッションの大学に行くことを決めました。
3. 作品を作るときのファーストステップは?
私のブランドはニットウェアのブランドなので、必然的に糸を選ぶ事が私のファーストステップになります。
素材や糸選びに時間をかける事で、私が思い描いている作品により近いニットウェアを作る事が出来ると思っています。
また、早い段階で自らがデザイナーとしてのスタイルを築き上げられたと感じていて、今はデザインにも沢山の時間を費やしたいと思っています。
私が学生だった頃は、作品のアイデアを膨らませる為、1年中膨大な量のリサーチをしなければいけませんでした。
卒業コレクション「Playground」は遊び心を具体化し、ムードボードを製作しました。
私はアートワークを通して、幸せな気持ちにさせてくれるアーティストが好きなので、その卒業コレクションではAlexander Calderの作品から大きな着想を得ました。
4. 新しい作品を創作する上で大切にしていることは?
一般的に洋服、特にニットウェアの分野では手編みの方が価値があるとされていますが、エンジニアの勉強をしていた経歴からか、私はテクノロジーの編み機を高く評価しています。
ハンドクラフトのニットと、機械編みのニットは様々な面で比較できないものだと思っています。
基本的な機械のポテンシャルやプログラミングの方法は学びましたが、それでも複雑なパターンやシルエットを作る際には専門家の助けが必要です。
今、市場で見かけるニットウェアのほとんどは、編み機のポテンシャルをすべて出し切れていません。
例えるならフェラーリを、時速50/kmで走らせているようなものなのです。
美しいニットウェアを作る為に、常に様々な機種のマシーンを使って試行錯誤を繰り返しています。
私のクリエイションにおいて、素材を理解する事とニットマシーンのポテンシャルを熟知する事が一番重要だと考えています。
5. あなたのインスピレーション源は?
私の中で大きく分けて2つのインスピレーションの源があります。
1つ目は人生の些細な事、絵画、景色や思い出、感情から。
そんな不合理なインスピレーションとは反対に、最新テクニックを使って誰も見た事のないようなニットウェアを作る事にも興奮します。
この一致しない2つが絡み合い、クリエーションの過程となり、最終的なデザインへと導いてくれるのです。
AW 17:
Photography by Riccardo Raspa
Make up by Micaela Carli
Models by Alex Julin and Ruby Sear
Assistant by Rossy Liu
6. 影響を与えられたデザイナーやアーティストはいますか?
アーティストですと、Henri MatisseやDavid Hockney、Agnes Martin、Alexander Calder、Hieronymus Bosch、Egon Schiele、Rippl-Ronai Jozsef、Francis Baconなど。
また、デザイナーを挙げるとしたらAdolf loosやCharles and Ray Eames、Dieter Rams、Raf Simons、Oki Sato、Phoebe Philoです。
7. 次に挑戦したいことは?
最近は、ニューヨーク近代美術館(MoMA)の「Items: Is Fashion Modern?」に出展をしました。
今回参加し一番驚き感心した事は、キュレーションチームがインスタグラムから声をかけてきた事です。
展示「Items: Is Fashion Modern?」は本当におすすめです。他のエキシビションと違って、すべての作品が鑑賞者にモダンファッションとは何か、という質問を投げ掛けてきます。
そして、コンテンポラリーデザイナーの一員として参加した事はとても光栄に思っています。
また、Lodz Young Fashion Awardでは私以外が全員ヨーロピアンのファイナリストで少し困惑しましたが、伝統的なコンペティションに名前を残せた事をとても嬉しく思っています。
今回の2018年春夏コレクションは、卒業コレクション2017年秋冬を含めなければ、私達ブランドにとってファーストコレクションです。これからも糸やマシーン、ニットウェアにとって重要な要素を勉強する為に沢山の時間を費やしていこうと思っています。
ニットウェアのみのブランドという事も大きなチャレンジだと思っていますが、それと同時に私は「チャイニーズモダンデザイン」というものも探求していきたいと思っています。
建築家I.M. PeiがSuzhou Museumで「ネオクラシックな中華式建築」にせずに、伝統的な中国のフィロソフィーとモダン建築を融合したように。
また、日本の伝統的なデザインと、モダンデザインを組み合わせた素晴らしい日本人ファッションデザイナー達のように。
私もファッションにおける「チャイニーズモダンデザイン」を作り上げれる事を願っています。
Available to buy from:
www.machine-a.com
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