ワールドワイドに活躍する魅惑的なアップカミングブランドを編集部がピックアップし、
「7つの質問」を投げかけインタビューを行う企画「7 Things About You」。
今回特別編として、London Fashion Weekに潜入し、様々な角度からその模様をレポート。
以前紹介した、注目のニューブランドの新たな表情をお届けしていきます。

ROBERTS | WOOD 2018AW Presentation Report

London Fashion Week期間中に開催された「ROBERTS | WOOD」のプレゼンテーションは、従来のファッションショーの常識に囚われず、異彩を放つ内容であった。
ファッションウィークの中心地からは少し離れた、イーストロンドン・ハガーストン駅近くに位置する
故Alexander McQueenが設立したSarabande Foundationスタジオで行われたライブ・プレゼンテーションは、
３日間に渡り開催された。
今回はシンプルに洋服を見せるだけではなく、3人のクリエーターとのコラボレーションによるシューティングを公開し、ブランドのフィロソフィーやアイデンティティーをより強く表現することに挑戦した。

1日目は、ロンドン発のブランド「TED BAKER」などのイメージも手掛ける、
ビデオグラファー兼フォトグラファーのCrowns & Owlsによるシューティング。

2日目は、ランウェイのルック写真に模した抽象的スカルプチャーで有名な、
スティルライフフォトグラファーのMarie Valognesとのコラボレーション。

最終日は、新体操の少女2人をモデルに迎え、イギリス人フォトグラファーのBex Dayが撮影を行なった。

デザイナーのKatie Roberts Woodはスコットランド出身で、医療関係の大学を卒業後、名門ロイヤル・アカデミー・オブ・アーツでファッションの学位を取得したという異例のバックグラウンドの持ち主。
2015年のブランド開始以降は、Vogue Talents Awardなど数々のアワードを受賞。その後、ドーバー ストリート マーケットなど有名セレクトショップで取り扱いが開始され、言わずと知れた注目ブランド。

2018年秋冬コレクションのテーマは「Kinderschema」。
デザイナーの解釈によって表現された優美で上品な雰囲気は、なんとも「ROBERTS | WOOD」らしいフェミニンな印象。
「ROBERTS | WOOD」の独特なテキスタイルの使い方や裁縫技術は、業界から高く評価されており、プレーンなパターンのジャケットやドレスにスライスを入れ、再構築し、3Dリボンを作るアプローチや、Non-Stitched（縫い目が見えない）テクニックで制作されたボリュームたっぷりのシルクオーガンジーのドレスは、他には真似できない繊細な職人技。

そんなブランドを代表するピースが多く並ぶ中、今回デザイナーのKatieが初めに紹介してくれたのが、ジャガードのシリーズ。
ヴィクトリア＆アルバート博物館に飾られている、「Mileflures with a unicorn」と呼ばれる16世紀のタペストリーに大きな着想を得たオリジナルのテキスタイルは、大判な柄行きながらも落ち着いた色彩でデイリーにもモードにも楽しめそう。

「今回3人の才能あるクリエーターとコラボレーションするにあたって、ブランド側から細かいリクエストは一切せず、それぞれ違う視点から見たブランド『ROBERTS | WOOD』を撮影して欲しいとお願いしました。彼らのクリエーションを自由に表現して貰うことで型にはまらず、予想もできない様な新発見が出来ると考えたからです。」
とデザイナー自身が語ってくれた。

今回のプレゼンテーションで撮影された作品は、今年の春頃、プレゼンテーション会場と同じSarabandeにてエキシビションを開催予定。
洋服というツールだけではなく、革新的なアプローチでの表現を試みた「ROBERTS | WOOD」の「新しい顔」を見られる日が楽しみで仕方ない。

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www.lulamag.jp/fashion/7-things-about-you/04/roberts-wood